虫嫌いに終止符は打てるのか。
私は無類の虫嫌いなんです。(デジャブ)
本当に苦手過ぎて日常生活、思いもよらない色んな所で試練が始まります。
毎日、歯科衛生士として歯科医院に勤務していますが、時々患者さんやその子供さんなんかが「あそこに虫いるよー」と報告してくれる事があります。
「・・・ありがとー。」
と言っておきますが、内心
『うわうわー。
うわうわーーー!
うわうわーーーーー!!!』
大慌てです。
大慌てですが、どんな状態のどんな虫がどこにいようと私の中では放置一択。
通報者たちはささっとお帰りなさい。
その後私は何も聞いていないふりをするのみ。
心の中は真っ黒けっけです。
笑顔で「また後で見ておきますね。」と、見送ろうとしているのに、中には虫の除去を手伝おうとしてくれる優しいお子さんなんかもいたりします。
私は放置以外する予定が無いので、関わりに行かれると本当に困ります。
※小さな親切、大きなお世話。(ごめんなさい。)
そうなってくると、もう心の声ダダ洩れで
「キャーイヤー!!ムリムリムリムリッッ!!!!!
触らんの!!ほっとき!!
ほっときっ!!!!!」
おばちゃん全開で放置を促し、知らぬ間に後輩が何とかしてくれているのを待つ、というあり様。
本当に情けないし、申し訳ないと思ってはいるんですが・・・
放置を促すのが限界なおばちゃん。
生まれた瞬間からおばちゃんと化した今まで、ずーーーっとこうして生きてきましたし、これから先もきっとこのまま虫を無視し続けながら生きていくと思っていました。
ところがですよ、先日自分の虫人生の間違いなくターニングポイントとなったであろう事件が起きました。
前置きがずいぶんと長くなってしまいましたが、家に虫が出たんです。
4階より上には虫は出ない説。
私は今マンションの6階に住んでいます。
実家は市営の団地で最上階の4階に住んでいました。
ボロボロの団地は間違いなく虫が湧いてきそうな雰囲気全開でしたが、実際ちょいちょい出ていました。
しかし子供って素敵な生き物で、母親に頼りさえすれば全責任をおって母親が退治してくれていました。
退治しない限り娘が正気を失うので、それはそれは激しめの虫が出ても必ず何とかしてくれる頼もしい存在でした。
叩き潰したはずの虫がまだ若干生きていたりすると、
「殺さんと逃がしてやるんが一番よ。」
とベランダから外によく放り投げたりしていました。
(完全に叩き潰そうとしてたけどな・・・)
なんて思ってもそんな事絶対口には出しません。
ふとした日常の中でも道徳の勉強を始めなければならない母親ってほんと忙しい。
そんな感じで4階はガンガンに虫が出ていましたが、ある時私の中では『博学の人』として認識していた偉いであろう人から
「4階以上の階には虫は出ないんだよ。」
と教えてもらいました。
・・・4階には出ていたが、この人が言うなら間違いないんだろう。
4階以上というのは、4階を区切りに4階は出るけど5階は出ない。(もうどうでもいい。)
と言う事で自分の中で話はまとまっていました。
なので今私は6階住まい。
虫は絶対出ないんです!
結果的に6階でも虫が出た。
今のマンションに引っ越してきて数年たちますが、確かに一度も虫が出た事はありませんでした。
蚊の対策も特にしていませんが、気になった事はありません。
さすが博学の人の言う事は信頼できるものです。
ですので自宅の虫問題に関しては、すっかり気を抜いて過ごしていました。
ところがです!
先日、とうとう出たんです!!
何気なく夕食を食べながらくつろいでいると
「ブウ~~ン」
と、何やら怪しい音階が聞こえてきました。
まさか、と思いながら辺りを見回してみると、なんとまたしてもベランダのガラスに虫が・・・!!
ハエをスリムにした感じで、巨大なアリの様でもあるし、何せ見た事ない形態の羽の生えた奴が完全に部屋にインしているんです!
娘と二人、ご機嫌でアンパンマンを見ていたというのに、至近距離にスリムなハエ。
サーッと血の気が引いていくのを感じながら、間違いなく自身最大の虫試練が訪れている事を認識しました。
対決
放置しておきたい気持ちでいっぱいですが、ここには放置した後何とかしてくれる後輩も母親もいない・・・。
地獄です。
今までの自分ならそのまま逃亡してどこかの家に泊まらせてもらっていたかもしれない。
でも小さい娘の母となった今、勿論そんなわけにはいきません。
このままほっておくと娘に向かっていくかもしれない。
ここには今、2歳の娘と自分だけ。
2歳の娘は戦力外だし、自分が何とかしなければこの局面はどうにもならない。。
・・・やるしかない!!
娘を思うと自分でも良く分からない底力のような不思議な力が湧いてくるのが母の凄さ!
娘が恐がる前に退治しなければ!と、勢い良く立ち上がったと思えば手元にあった薄い雑誌の様なものを握りしめ一心不乱に振り回す母!
それを隣でニヤけながら見つめる娘。
「どこだーー!?」と叫びながら叩き暴れる母!
「ママァ~??」とニヤける娘。
あまりの温度差に2歳の娘に
「まま、すっごい嫌やけど虫やっつけよんよ!」
必死で訴えます。
「むち~?むちやっつけよん?」
どんな時でも可愛すぎる娘。
ママはふざけているわけで無い事は伝えたし可愛すぎる娘の為にも今一度自分を奮い立たさなければ!
しかし、年老いたかすれ目では、スリムなハエ程度の物体、一瞬見えてもすぐに見失ってしまいなかなか追い詰められません。
「どこだーー!?」「そこかーーーー!?」
と騒いでいると、娘も一緒になって
「あっ!あっ!むちいた!!むちいた!!」
と参戦してきました。
そりゃスルーもしていられないだろうと参加を承認し、
スリムなハエを探していると、「むちむちー」と言ってる娘の目線の先に確かに一瞬黒い影が見えるじゃないですか。
娘には確かに見えている様子。
思いがけず戦力になり始める娘。
「むちむちーー!」
と指まで指してくれるようになってきたので、何も見えない母は娘の指示に従い突撃していくまで。
数回突撃したところで、落ち着いて確認してみる事になり、娘と二人静かに辺りを見回してみましたが、怪しい物音も存在感も一切感じなくなりました。
とうとうやりました!!
親子力を合わせればスリムなハエ位退治できるんです!!
いやーー、何とも言えない達成感で本当に嬉しかったんですね。
今まで100パーセント逃げ続けていたものにとうとう立ち向かえ、しかも勝利しましたからね。
まあ、娘がいないと難しかったですが・・・笑
頼れる2歳児に育てられてた奇跡に乾杯です(^^)/
もう虫なんか怖くないぞーーーー!!(嘘過ぎる。)